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みなまたの伝説「雨ざらしの水天宮」

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 昔、寒川の水天さんが雨ざらしのまま鎮座されているのを村人がみて、勿体ない、罰があたるということで、みんなで上屋を建てることにした。
 ところが、建てたあと大雨で流されてしまった。また建てた、また流された。大雨が降るたびに流されてしまった。
 そしてある晩のこと、水天宮の祭り一切を取りしきって座元を務めている、寒川栄次郎の先祖の夢枕に水天さんが立たれ、「上屋はいらぬ、雨ざらしにしてくれ」とのお告げがあった。さすがは水の神様であると村人は関心し、神意にさからわず、それ以来上屋をつくるのはやめ、露天のままにしておいた。それでも長い期間、たびたびの大洪水にもながされるようなことは只の一度も無かった。
 近くは大正十二年のかつてない集中豪雨の折、集落の裏山が山塩で崩壊し、民家二軒が流失した。そのとき、草刈り帰りの乙女二人が草を担いで通りかかり、不運にも二人のうち後続の一人は前の娘より数歩遅れていたばかりに、山崩れの土砂と一緒に流され、亡くなってしまった。その時も水天さんは微動だにせず激流の中に鎮座ましましておられたという。

水俣市史「民族・人物編」より


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