活動の概要
水俣病の経験を教訓とし、自らの自然環境への負荷を減らすことはもとより、「環境モデル都市」の実現に向けた取り組みの強化を図り、地球環境の保全再生及び持続可能な社会の形成に関する地方公共団体の役割を積極的に担うため、水俣市役所は、環境マネジメントの国際規格であるISO14001を平成11年(1999年)2月に認証取得しました。
この環境ISOの取得・運用により、水俣市の地域イメージも向上し、水俣病の犠牲を無駄にしないために取り組んでいる「環境モデル都市づくり」も多くの人に認識されました。
その後、4年間継続することによりシステムも定着し、職員の環境に対する意識も高まったことにより、市の環境への取り組みの監査評価を市民に行ってもらう市民監査制度を取り入れ、平成15年(2003年)9月に、ISO14001「自己適合宣言」の表明を行いました。
効果
以下のような効果があり、水俣市が世界の環境モデル都市に向け自他共に認められる大きなステップとなりました。
・地域イメージの向上
・庁舎・施設の使用エネルギー量の節約、廃棄物の減量など、省エネ・省資源による経費の削減
・職員の環境に関する意識改革と具体的行動の進展
・システムの導入による行政の合理化、改革の進展
・市役所が環境ISOを取得することによる市民意識の向上と具体的行動への波及
・市内事業者への環境ISO取得の支援
・外部監査を市民が行うことで、通常の監査に加えて市民目線による提案型へ進展
適用範囲
1 市長事務部局(会計課含む)
2 監査事務局
3 教育委員会事務局
4 農業委員会事務局
5 選挙管理委員会事務局
6 議会事務局
7 水道局
目的・目標の数
環境モデル都市づくり |
84項目 |
省エネルギーに関するもの |
7項目 |
省資源・リサイクルに関するもの |
4項目 |
市民監査の結果
市民監査は、水俣市民の有資格者や公募の委員とアドバイザーで構成された市民監査委員会で、監査チームを編成して毎年度2月に実施します。
なお、結果は100点満点でエコスターにより5段階で評価されます。
(20点以下:☆、21~40点:☆☆、41~60点:☆☆☆、61~80点:☆☆☆☆、81点以上:☆☆☆☆☆)
2008年度(平成20年度)
92点 五つ星評価 ☆☆☆☆☆
2009年度(平成21年度)
94点 五つ星評価 ☆☆☆☆☆
2010年度(平成22年度)
94点 五つ星評価 ☆☆☆☆☆
2011年度(平成23年度)
90点 五つ星評価 ☆☆☆☆☆
2012年度(平成24年度)
88点 五つ星評価 ☆☆☆☆☆
2013年度(平成25年度)
93点 五つ星評価 ☆☆☆☆☆
2014年度(平成26年度)
93点 五つ星評価 ☆☆☆☆☆
2015年度(平成27年度)
92点 五つ星評価 ☆☆☆☆☆
2016年度(平成28年度)
85点 五つ星評価 ☆☆☆☆☆
2017年度(平成29年度)
89点 五つ星評価 ☆☆☆☆☆
2018年度(平成30年度)
94点 五つ星評価 ☆☆☆☆☆
平成30年度エコスター評価証授与式
環境ISOロゴマーク
「水俣市役所環境ISO」運用管理の停止について
水俣市は、これまで水俣病の経験から得た教訓を生かし、環境に配慮した様々な施策や取組を第2次環境基本計画のもと「水俣市役所環境ISO」の考え方を用いて運用管理してきました。その結果、2008年には、国の「環境モデル都市」に認定されるなど、一定の成果をあげてきました。
その一方で、産業の振興、雇用環境の改善、福祉の充実等を望む声も多く、それらを踏まえて「環境」だけではなく、「環境」、「経済」、「社会」の三側面の統合的取組による「自律的好循環」を構築するという視点に立ち、2015年9月に国連が提唱し、日本政府としても積極的に推進しております「SDGs(持続可能な開発目標)」の考え方に基づく、「持続可能な地域社会づくり」に取り組んでいきたいと考え、平成30年度に、本市の目指すべき将来の姿と、その実現に向けて市民とともに進むべき方向についての基本的な指針として「第6次水俣市総合計画」を策定しました。
当該計画に掲げる政策、施策等の運用管理ツールとして、平成31年度から『行政評価制度』が導入され、運用改善を行いながら、効果的かつ効率的な評価、管理が行われることになったため、事業管理システムの重複を避け、一元的な管理を行うことを目的として、平成30年度をもって、「水俣市役所環境ISO」による環境管理を停止します。
これまで約20年に渡りご協力いただいた関係者の皆様方に、深く感謝申し上げます。
なお、「水俣市役所環境ISO」で管理していた項目は、今後それぞれの部署において管理することになりますが、各部署で使用したエネルギー使用量等の数値は、法律により義務化されている地球温暖化防止実行計画の実績として、また、国の「環境モデル都市」の認定に基づく温室効果ガス排出量推計のための数値として、引き続きデータ集計を行ってまいります。
また、環境ISOの取り組みは水俣市役所の認証取得をきっかけに誕生しました、家庭版、学校版、保育園・幼稚園版といった水俣市独自の環境ISOにつきましても、今後もさらに維持・発展させながら、SDGsの考え方に即した「行政だけでなく市民一人ひとりが当事者としての意識を持ち、共に考え、行動していく持続可能な社会」を目指して、新たな要素も取り入れながら引き続き取り組んでいきます。