慶応大学遠隔講義で、熊本県立大学名誉教授の篠原亮太先生が講義を行いました
水俣環境アカデミアでは、慶應義塾大学総合政策学部、環境情報学部、大学院政策・メディア研究科との「連携・協力に関する協定書」に基づき、同大学が実施する遠隔講義について支援を行っています。
令和7年12月2日、同大学環境情報学部・植原啓介教授の水俣研究会の学生に向けて、熊本県立大学名誉教授及び熊本県環境センター名誉館長である篠原亮太先生が「水俣病とは何か?」と題してオンラインで講義を行いました。
篠原先生は熊本県立大学からのオンライン参加でした。
まず、水俣病発生メカニズムについて、化学的な視点から、次に水俣病が拡大した原因を説明。また、水俣病がなぜ止められなかったか、その経済・政治的背景と社会問題について、さらに環境汚染への行政の取り組み、水俣の再生と教訓の継承について言及され、最後に水俣病認定と補償、コストから見た予防的汚染防止効果について階層構造図を用いながら解説されました。水俣病に関しては、その認定や健康被害補償を巡り何度も裁判や政治決着を経ており、莫大なコストが生じているが、初期に水処理施設設置に1億2300万円投資すれば汚染後の対策費の1/100の経費で済んだうえ、人命が脅かされることもなかったと予防的汚染防止効果について述べられました。
予防汚染効果について、海外のひどい環境汚染現場を視察し、行政担当者へ忠告するもなかなか改善が進まない事例が紹介されたのを受け、学生から「開発途上国でどうすれば予防汚染が実現できるか」といった旨の質問がありました。先生からは「政治に携わる人が他国の環境対策技術をどんどん取り込むこと。こういったことができる人がいる国の中には対策ができているところもある。大きなことではなくとも、対策できることはある」と回答されていました。