株式会社トライグループの教材において、水俣病が遺伝するとの間違った情報があったことについて、水俣市長として次のとおりコメントいたします。
株式会社トライグループの作成した教材において「水俣病が遺伝する」との間違った情報が記載されていました。
水俣病はメチル水銀により汚染された魚介類を多食することにより発症する中毒であり、感染や遺伝するものではありません。
水俣病の発生以降、患者・被害者の皆様をはじめ水俣市民は様々な偏見や差別にさらされ、苦しんできました。
水俣市として、被害にあわれた方々と御遺族の苦しみ、悲しみに寄り添い、語り部の会の皆様をはじめとして多くの方々とともに、水俣病に関する正しい情報と、その教訓を発信し続けています。
未来を担う子どもたちをはじめ、今を生きる全ての方々に対し水俣病について正しく知っていただくことは、水俣市のみならず、我が国の使命です。
その中で、教育の一端を担う大手企業により間違った情報が発信され続けていたことは、関係者の長年の努力を軽視するものであり、到底許容できるものではありません。
特に、子ども達が使う教材の中で、長く誤った情報を発信してきたことを重く捉えていただかなければなりません。
トライグループには、謝罪や訂正のみではなく「これまで教材を使って学びを得てきた子どもたちに対し、今後どのように対応していくのか」ということについて、責任をもって示していただきたいと思います。
水俣市としては、今後も引き続き、国や熊本県、関係する全ての方々とともに正しい情報と教訓の発信に努めてまいります。
令和7年5月30日
水俣市長 髙岡 利治