令和7年3月15日、「令和6年度グローバル人材育成事業Stanford e-Minamata」閉講式を熊本県立水俣高等学校で行いました。
「Stanford e-Minamata」は、米国スタンフォード大学の国際異文化教育プログラム(SPICE)が水俣高校生30人に提供するオンライン講座です。
水俣市では、市内唯一の高校である水俣高校に対して、様々な学びや国際交流の機会を提供し、次世代の人材育成に取り組むとともに、同校の魅力向上に寄与する取組みを実施してきており、この事業は、その取組みを強化するために昨年9月から開始しました。
その後11回に渡って、受講生たちは「環境政策」「先端技術と環境倫理」「SDGs」などのテーマについて、ゲイリー教授やナタリー専任講師、各分野のゲストスピーカー等による英語でのオンライン講義を受講し、英語でのディスカッションやグループでのプレゼンテーション発表に取り組みました。
この3月に約半年間のプログラムが終了したことから、受講生の健闘をたたえるため、閉講式を開催しました。

閉講式には、スタンフォード大学SPICEのゲイリー・ムカイ所長(オンライン出席)、ナタリー・モンテシノ専任講師、水俣高校の受講生とその保護者、市・高校関係者が出席するほか、多くのご来賓の皆様にご臨席いただき、100名以上の参加がありました。
式ではまず、ナタリー専任講師から受講生へ修了証書等が授与されました。

次に、髙岡市長が、
「学業やスポーツなど高校生活と両立して、スタンフォードの授業や課題などにも取り組み続け、本当に素晴らしいです。皆さんのような未来志向の若い人材がこの水俣を元気にします。ぜひ、この経験を糧にして、これからも様々なことに挑戦して活躍してください」
と、あいさつしました。

続いて髙木校長が
「スタンフォード大学の先生から講義を受けることができたことは、水俣高校が目指す「本物を体験する」教育活動の最たるものになったと確信しています。この講義を受けた生徒たちの中から、将来、世界を駆け巡り、水俣と世界との架け橋を作ることができる人材が出てくることを期待して止みません。」
と、あいさつしました。

そして、「Stanford e-Minamata」において、普段の授業での発言や課題、最終プレゼンでのパフォーマンスなどを総合的に判断して、大学から選ばれた成績優秀者2名の発表がありました。
成績優秀者は、塚本紅音さん(3年)と小畑百華さん(2年)です。
2人は笑顔いっぱいで、受講した感想を英語でスピ―チしました。
塚本さん
「スタンフォードの講義を通して、水俣市や世界の現状や課題をより身近に意識するようになりました。スタンフォード大学との交流は私の教師になるという夢を一歩前進させたものだと実感しています。今後は、スタンフォード大学での経験をさらに深め、現地で水俣市や水俣高校の魅力を伝え、その発展に貢献していきたいと考えています」

小畑さん
「スタンフォード大学とのプログラムは人生においてまたとない貴重な機会で、最後までやり遂げたいという気持ちがありました。初めは失敗を恐れて発言できませんでしたが、殻を破りたいと思い、勇気を出して質問するようになりました。将来は、何らかの形で世界をより良くしていくために様々な人と協力して活動したいと考えています」
その後、オンラインで参加したゲイリー教授は、
「受講生の皆さん、コース修了おめでとうございます。皆さんをとても誇りに思います。皆さんが取り組んだ創造的思考や問題解決のスキルは、今後の学業生活やキャリアにおいて、さらに重要な意味を持つものだと思います。このコースに参加してくれて心から感謝しています」
と、アメリカから画面越しに受講生に呼びかけました。

この半年間、プログラムを担当してきたナタリー専任講師は
「皆さん一人ひとりを称え、祝福したいと思います。普段の勉強や他の仕事と両立させながらこの難題に挑んだ意欲と粘り強さは、人生のあらゆる場面で大いに役立つでしょう。皆さんの思慮深い取り組み、そして毎日熱心に学ぼうとする姿勢に感謝します。私は、あなた方が将来成し遂げるであろう数々の素晴らしいことを見るのが待ちきれません」
と、受講生をたたえました。

最後に記念撮影をして閉会となりました。

閉式後、受講生をグータッチでねぎらう髙木校長先生。

開講式終了後は、受講生とナタリー専任講師との交流会が行われました。
受講生1人ずつが受講の感想やナタリー先生への感謝を伝えると、ナタリー先生も、受講生みんなに心のこもったプレゼントを渡していました。

このたび選ばれた成績優秀者2人は、4月にスタンフォード大学での成績優秀者表彰式に出席し、大学の教授やスタッフに対してこのコースで学んだことなどについてプレゼンテーションを行う予定です。その様子は、ホームページ等でお知らせします。
令和7年度も、この「Stanford e-Minamata」を水俣高校で実施する予定です。
英語を聴き、話し、書き、読む能力が総合的に向上し、英検合格にも結び付きます。
そればかりではなく、髙木校長先生のお話によると、受講したことにより、想像をはるかに超える『意欲の成長』が生徒さんたちに見られたそうです。もっと学びたい、もっと話したい、もっと知りたいという意欲がとても高くなったそうです。
水俣高校生の皆さん、ぜひチャレンジしてください!