令和7年2月15日(土曜日)、水俣環境アカデミアは市民公開講座「これは知らなかった!!環境問題ア・ラ・カルト」を開催し、水俣市内外から26人が参加しました。

講師は、熊本県環境センター館長、熊本県立大学名誉教授の篠原 亮太先生です。

私たちの身の回りには、環境問題に関する様々な情報が溢れています。
しかし、その内容については、「なんとなく」知っているけれど、余りよく分からない…そんな人が多いのではないでしょうか。
今回のお話では、
「家庭からでる汚水はどこに行くのか」
「生活排水を充分に処理して海に流しても赤潮の被害がなくならないのはなぜか」
「野焼き」についての誤解
「割り箸は、どこが問題なのか」
・・・などなど、様々な環境問題を例に挙げて、その実際の姿やその根拠、しくみなどが解説されました。
そして、これらの問題から、環境問題は大きく考えると「トレードオフ」で、何かを守れば何かが問題を起こす、という面があることから、先生は「SDGsを守り、CO2を減らす行為で、環境リスクを減らすためには、マイナスなことを受け入れなければできないことも出てきます。受け入れるのかどうかは、自分の意志でやっていただきたい」と話されました。

そして、まとめとして、
「環境問題は常に変化(進化)しているので、『科学的根拠に基づいた環境活動』をしてください。迷信とか、誰かが言っていたから、とかではなく、『なにかがおかしい』と思ったら、自分で調べて確認することが環境活動。だまされたり、振り回されたりしないようにしていただきたい」
と、自分で確認して環境活動を行うことの大切さを説かれました。
軽快なおしゃべりで、時にはご自身の楽しい体験談も交えながら、「環境活動」をどう行うべきか、大切な視点や考え方を教えていただいた講演でした。
その後の質疑応答では、
「赤潮は自然環境の変化でも発生することがあり得るのでしょうか。」
「新聞とかテレビでよく見る「PFAS」が人間に与える影響は」
などのおたずねがありました。
参加者からは、
・野焼きすると草をまた生やせるということをはじめて知りました。いろんなことに疑問をもってきちんと調べていこうと思います。
・自身の生活に身近な問題についてご説明頂き、普段の生活や行動を振り返ることができました。
・豊かさや便利さと、環境問題をバランス良く続けるのが大事だけどとても難しいです。できることから実践していこうと思います。
・環境問題は進化しているという言葉が強く印象に残った。
・割り箸については、環境に悪いものだと認識していました。講演を聞いて、単純に悪い物ではなく、問題等に役に立っているという話が新鮮でした。
などをはじめ、たくさんの感想をいただきました。