水俣環境アカデミアでは、産学官が連携し、水俣高校電気建築システム科建築コースの生徒を対象に、森林・地元産材に関する知識や木材加工技術を学ぶ木育ワークショップを平成29年度から実施しています。
令和6年度は、「ミナマータJR新水俣駅店」様からの依頼を受け、地元企業等の協力のもと、商品販売用什器の製作に取り組み、令和6年11月29日、和紅茶等販売台を贈呈しました。

【特徴】伝統木工技術「組子」を取り入れた美しいデザイン
たっぷり収納スペース
和紅茶が映えるようにと、高校生と指導者のみなさんが連携して製作しました。
この販売台ができるまでの過程と、贈呈式の様子をお知らせします。
和紅茶等販売台完成までの道のり
1.現場見学(令和6年2月6日)
まず、道の駅ミナマータJR新水俣駅店で現場見学・確認を行い、各自でデザイン案をふくらませました。

2.デザイン・設計
令和6年4月19日
講話「作品紹介および設計時の留意点等について」
講師:熊本県建築士会水俣芦北支部青年部様(KAYアーキテクツ 吉永 啓さん)
設計・デザイン等への指導。現場の写真を見ながら、必要な要素の整理、販売台の配置の再考を行いました。
令和6年5月24日
デザインコンペ(吉永さん、北田館長さん)
3班に分かれ、販売台のデザインプレゼンテーションを実施。
デザインの方針決定後、北田館長さんの希望を取り入れながら、また、吉永さんに設計に関する助言をいただきながら、具体的な寸法・仕様をホワイトボードと紙に表していきました。
3.製作実習(9~10月 4回にわたって実施)
技術指導:水俣地区建具組合様
左から)緒方建具店(袋)緒方正実さん、 古田建具店(古賀町)古田正美さん、山本木工所(百間町)山本真市さん
「墨付け」「ほぞ穴加工」や、伝統「組子(くみこ)」作業、くぎを極力使わない方針での組み立て、引き出し等の製作指導が行われました。
最終日の生徒さんからの感想(一部)
・組子の作業、加工の技術を学べた。「Wood Connect Project」を大きなものにしていきたい。
・ミスした時も講師の優しい声掛けと指導をいただいた。4日間ありがとうございました。
・のみの使い方を教わったことが印象に残っている。ほかの応用の仕方も役に立った。
・4日間通してひとつひとつの材料に気持ちと技術があることに気づいた。後輩たちにもつなげていきたい。
5.贈呈式(11月29日 道の駅ミナマータJR新水俣駅店)
贈呈式当日、水俣高校の木工実習室から、販売台2台がお店へ搬入され、贈呈式が行われました。
まず、電気建築システム科建築コース3年の寺川龍次さんが、連携先の皆様に対するこれまでの指導への感謝を伝え、
「水俣の特産である和紅茶が、木のぬくもりを感じ、建具技術の美しいデザインによって映えるように設計しました。この販売台が、ミナマータ新水俣駅店をより快適に、そして充実したものにする一助となれば幸いです。どうぞ末永くご愛用ください」と、贈呈のあいさつを行いました。
そして、贈呈に際し、関係者でプレートのくぎ打ちが行われました。
続いて、連携先のひとつである水俣地区建具組合の山本真市さん(山本木工所・百間町)から
「工程も多くてこれまででいちばん難しかったです。
つくり方も、先生方と話をしながら試行錯誤しながら取り組みました。ものすごくいいものが出来上がったと思います。
組合員3人は、通常は親子でやっているので、大人数で作業することも少なく、和気あいあいと楽しくさせてもらいました。
使ってもらえると張り合いにもなります」というコメントをいただきました。
そして、道の駅ミナマータ館長の北田実さんが、
「1年前にお願いして、形になってうれしい。生徒の皆さんにお礼を申し上げます。
デザインに伝統のいわし籠のヒントを取り入れてあり、収納もたっぷりできるのでうれしいです。
和紅茶も、台風や猛暑を乗り越えてできています。生産者のみなさんが納品される時にこの販売台を見たら、感謝されると思います。
製作してくれた皆さんのことも伝えていこうと思います。みなさんありがとうございました。」と、謝辞を述べました。
最後に、水俣環境アカデミアの古賀実所長が、
「木の切り出しから製材、デザイン、検討、様々な形でのご指導をいただきありがとうございました。
高校生は社会に出て帰ってきたらこの販売台を見て愛着を感じてほしいし、館長には販売台で売上倍増を目指していただきたい。
みなさんの今後のご活躍をお祈りいたします。ありがとうございました。」と閉式の挨拶を行い、贈呈式は終了しました。
閉式後は商品の陳列を生徒たちもお手伝いし、販売台に和紅茶がずらりと並びました。
和紅茶を並べた販売台を囲んで記念撮影。
ぜひ、新水俣駅へお越しの際は、ミナマータJR新水俣駅店へお立ち寄りください。
そして、美しいパッケージの和紅茶たちを載せてすっかりお店になじんでいる販売台をご覧ください。
(お買い物もぜひよろしくお願いします!)
水俣高校のホームページでもこの日のことが紹介されています。
ぜひご覧ください!
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産)合同会社Wood one、水俣地区建具組合、熊本県建築士会水俣芦北支部青年部
学)熊本県立水俣高等学校
官)水俣市(地域振興課水俣環境アカデミア)