2022(令和4)年度さくらオンラインプログラム水俣研修
令和4年8月30日から9月29日にかけて、「2022(令和4)年度さくらオンラインプログラム水俣研修~水俣病を正しく理解し、環境問題について考える~」を実施しました。
この研修は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の委託事業で、産学官の連携により、海外の国・地域の優秀な青少年に日本の先端的な科学技術に触れる機会を提供することを通じて、優秀な人材の養成・確保、日本の教育機関のグローバル化、海外の国・地域との友好関係の強化に貢献し、ひいては日本及び世界の科学技術・イノベーションの発展に寄与することを目的に実施するものです。
昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響によりオンラインによる研修とし、台北科技大学(台湾)、カセサート大学(タイ)の学生を対象に実施しました。
研修1日目(8月30日)
水俣環境アカデミアの古賀所長よりオリエンテーション及び水俣市の概要、SDGs未来都市、水俣環境アカデミア概要について講義を行いました。
研修2日目(9月1日)
水俣病資料館副館長よる「水俣病の概要」についての講義を行いました。その後、水俣病語り部・緒方正実さんの講話を行いました。
研修3日目(9月6日)
国立水俣病総合研究センター・原口室長が「国立水俣病総合研究センターの概要」及び「ヒトへの水銀曝露」についての講義を行いました。
その後、熊本県環境センター・篠原館長による「水俣湾公害防止事業」に関する講義を行いました。
研修4日目(9月8日)
いであ株式会社環境創造研究所・内田圭祐様、長坂洋光様が「水銀分析技術」及び「アジア太平洋地域水銀モニタリングネットワーク」についての講義を行いました。
研修5日目(9月13日)
水俣環境アカデミア・古賀所長による「水俣地域における水銀対策にも資する環境保全手法の実態調査」についての講義を行いました。
その後、「国連環境計画(UNEP)の取組」について、国連環境計画国際環境技術センター・本多俊一様に講義を行っていただきました。
研修6日目(9月15日)
水俣環境クリーンセンター職員による「ごみの分別、処理について」の講義を行いました。
その後、JNC株式会社・永野部長による「JNC事業、水力発電事業」についての講義を行いました。
研修7日目(9月22日)
水俣エコタウン企業の取組として、株式会社アール・ビー・エス・水本社長から「微生物を使用したし尿・浄化槽汚泥処理」について講義を行っていただきました。その後、水俣ダイビングサービスSEA HORSE・森下誠様が「水俣湾における海の生物」と題し、講義を行いました。
研修8日目(9月29日)
研修最終日は、熊本県立大学国際交流センター・レイヴィン先生をファシリテーターに、IGES北九州アーバンセンター・林プログラムディレクターをコメンテーターに迎え、研修のまとめを行いました。
これまでの研修内容を踏まえ、研修生がグループで(1)水俣病(2)自国の環境問題について発表、議論をを行ってもらいました。
最後に「この研修で学んだことを、皆さんの国で役立ててほしい。今回はオンラインによる研修であったが、ぜひ水俣を訪れ、現在の水俣を見てほしい」とコメントを行い、研修を締めくくりました。
水俣環境アカデミアでは、今後とも国内外の大学、研究機関等のネットワークを拡大し、更に充実した研修を実施していけるように取り組んで参ります。