冬場に流行する感染性胃腸炎の原因の多くは、ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルスによるものです。特にノロウイルスは感染力が強く、少量でも発症するのが特徴です。 ノロウイルスによる感染性胃腸炎はヒトからヒトへの感染と、汚染された食品を介しておこる食中毒に分けられます。感染から発症までの期間は24~48時間で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、微熱です。通常、これらの症状が1~2日間続いた後に治癒しますが、子どもや高齢者などは重症化することがありますので、特に注意が必要です。なお、ノロウイルスには、有効なワクチンがなく、治療は対症療法に限られていますので、以下の予防対策を徹底しましょう。
(1) 最も大事なことは、丁寧に手を洗うことです。
特に食事前、トイレの後、調理前後は、石けんで20秒以上の丁寧な手洗いを心がけましょう。石けん自体にはノロウイルスを直接失活化する効果はありませんが、手の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。
(2) 便や嘔吐物を処理するときには、衛生面に注意しましょう。
感染した人の便や吐物には大量のノロウイルスが含まれてます。これらを取り扱うときは使い捨て手袋、エプロン、マスクを着用し、衛生面に十分に注意しましょう。汚染された場所の消毒には、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)が有効であるとされています。家庭用塩素系漂白剤濃度は約5~6%ですので、以下を目安に消毒液を作ってください。
ふき取り用:水1000mlに対し、ペットボトルキャップ1杯
汚れがひどい場合:水1000mlに対し、ペットボトルキャップ4~5杯
(3) 食品からの感染を防ぎましょう。
一般にウイルスは熱に弱く、加熱処理はウイルスの活性を失わせる有効な手段です。ノロウイルスの汚染の恐れのある二枚貝などの食品の場合は、中心温度85~90°C以上で90秒以上の加熱が望ましいとされています。また調理器具や調理台はいつも清潔に保ちましょう。
ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒に関する情報は下記をご覧ください。
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厚生労働省:感染性胃腸炎(特にノロウイルス)について
(外部リンク)