2021さくらオンラインプログラム水俣研修
令和3年11月16日から12月14日にかけて、「2021さくらオンラインプログラム水俣研修」を実施しました。
この研修は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の委託事業で、産学官の連携により、海外の国・地域の優秀な青少年に日本の先端的な科学技術に触れる機会を提供することを通じて、優秀な人材の養成・確保、日本の教育機関のグローバル化、海外の国・地域との友好関係の強化に貢献し、ひいては日本及び世界の科学技術・イノベーションの発展に寄与することを目的に実施するものです。
例年は研修生を海外から招へいし、現地での研修を実施してましたが、新型コロナウイルス感染症の影響によりオンラインによる研修とし、台北科技大学(台湾)、日越大学(ベトナム)、カセサート大学(タイ)の学生を対象に実施しました。
研修1日目(11月16日)
水俣環境アカデミアの古賀所長よりオリエンテーション及び水俣市の概要、SDGs未来都市、水俣環境アカデミア概要について講義を行いました。その後、九州大学・キーリー先生による講義「新国富指標による地域持続可能性」を行いました。
研修2日目(11月18日)
水俣病資料館副館長よる「水俣病の概要」についての講義を行いました。その後、水俣病語り部・緒方正実さんの講義を行いました。
研修3日目(11月25日)
国立水俣病総合研究センター・松山部長が「国立水俣病総合研究センターの概要」についての講義を行いました。その後、いであ株式会社環境創造研究所・内田圭祐様、長坂洋光様が「水銀分析技術」及び「アジア太平洋地域水銀モニタリングネットワーク」についての講義を行いました。
研修4日目(11月30日)
熊本県環境センター・篠原館長による「水俣湾公害防止事業」に関する講義を行いました。その後、水俣ダイビングサービスSEA HORSE・森下誠様による「水俣湾の海の生物」、水俣環境アカデミア・古賀所長による「水俣地域における水銀対策にも資する環境保全手法の実態調査」に関する講義を行いました。
研修5日目(12月2日)
水俣環境クリーンセンター職員による「ごみの分別、処理について」、水俣市企業支援センター職員による「水俣エコタウン概要」についての講義を行いました。その後、水俣エコタウン企業の取組として、株式会社アール・ビー・エス・松本社長から「微生物を使用したし尿・浄化槽汚泥処理」について、株式会社田中商店・田中社長より「びんのリユース事業」について講義を行いました。
研修6日目(12月7日)
JNC株式会社・脇永次席による「JNC事業、水力発電事業」についての講義、寒川地区・寒川正幸様による「寒川小水力発電への取組」について講義を行いました。
研修7日目(12月8日)
「SDGs」をテーマに、各大学と水俣高校との交流事業を行いました。初めに、水俣高校生が学校の紹介・取組について発表を行い、その後、各国から大学紹介・各国でのSDGsへの取組について発表を行いました。その後、それぞれの文化などについて質問、意見交換がなされました。
研修8日目(12月14日)
研修最終日は、研修生がこれまでの内容についての意見・感想を述べる機会とし、「水俣病に対する理解が深まった」「水俣エコタウンの取組が参考になった」「水俣高校との交流が楽しかった」等の感想がだされました。水俣環境アカデミア・古賀所長からは「この研修で学んだことを、皆さんの国で役立ててほしい。新型コロナウイルス感染症が落ち着いたら、ぜひ水俣を訪れ、現在の水俣を見てほしい」とコメントを行い、研修を締めくくりました。
水俣環境アカデミアでは、今後とも国内外の大学、研究機関等のネットワークを拡大し、更に充実した研修を実施していけるように取り組んで参ります。