地元水俣にUターン移住し、カフェを営む伊藤さん。店内には、香ばしいパンやコーヒーの香りが漂っ
ていました。
店名の「おるがんと商店」は熊本弁の「おぎゃんと=私のもの」が由来となっているそうで、自分の
家に帰るような感覚で子どもからお年寄りまでたくさんの人に気軽に来てほしいと話します。
水俣に戻る前のこと
高校卒業まで水俣で暮らしていましたが、中学生の頃から沖縄県に住むことが夢で、大学への進学をきっかけに沖縄県で生活を始めました。
大学では農学の勉強をし、アメリカやカナダへの留学も経験しました。
留学中に様々な人と出会い、触れ合う中で「発酵」について興味を持ち、発酵学の権威者であるサンダーキャッツ氏から直接教えていただきました。
帰国後は沖縄で人気の天然酵母のパン屋さんでアルバイトをし、修業を積みました。
故郷水俣を盛り上げたい
大学時代にプライベートで訪れた東京で「水俣を盛り上げたい」と同じ目標を持つ地元の友人と再会して意気投合し、水俣でカフェをオープンするこ
とを決意しました。
それぞれ沖縄、東京、大阪から帰郷し、カフェオープンに向けて動き始めました。クラウドファンディングで資金を募り、店舗の内装工事は自分たち
で行うなど、地道に、しかし確実にオープンに向けて進んでいきました。
2020年8月にオープンし、SNSでの情報発信や、口コミで広まり、たくさんのお客様に来ていただいています。
カフェのメーンは、自家製の天然酵母パンを使用したサンドウィッチと本格エスプレッソマシンで淹れたコーヒーです。身に着けた発酵技術を最大限
に活かすことはもちろんですが、食材は地産地消にこだわり、添加物を使用しないなど、健康への配慮も心掛けています。
従流志不変
オープンしたばかりのカフェで忙しい毎日を過ごしていますが、新商品の開発など常に向上心を持って挑戦を続けています。
ここはカフェですが、1つの箱の中だと思ってほしいです。お喋りに来るだけでも、美容室の待ち時間などに利用していただいても良いです。
これまでの留学などの経験を通して様々な人に出会い、その時の経験が今の自分に繫がっています。水俣の活性化のために、次は自分がこの箱の中で
人と人との繫がりを手助けする役割を担っていきたいです。
「従流志不変」沖縄でこの言葉に出会いました。「大きな問題が立ちはだかり、どうにもできなくなったときは思い切って時の流れに身を委ねる。け
れど、どんな時でも一度立てた志は絶対に変えてはいけない」簡単に言うとこういう意味です。この言葉の通りこれからも志を持って挑戦を続けてい
きます。今、移住を考えている方々にもこの言葉が伝わると嬉しいです。
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天然酵母パン使用のサンドウィッチとこだわりのコーヒー。 店内での食事はもちろん、テイクアウトも可能。 | イタリア・ナポリの職人手造りのエスプレッソマシン。 マニュアル式で、バリスタによって違った味が楽しめる。 |
移住に関する相談窓口
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